密度流の利用による閉鎖性内湾・湖沼等の水質改善

海洋と同様、沿岸の閉鎖性内湾や内陸部の湖沼も、特に夏場は深さ方向に温度成層が出来、水の上下循環が殆どなくなる。そこへ最近では陸上から栄養分が多量に流れ込むようになったため、底層の貧酸素化や赤潮・アオコの発生といった過栄養化による水質汚濁が問題となっている。当社では、成層した海域に起こるゆっくりした水平な流れである「密度流」に着目し、密度流拡散装置(DCG:Density Current Generator)を開発。1997年に三重県五ヶ所湾に実機を設置し、水質改善、藻場の形成に貢献した。
密度流拡散装置を利用して海域に流動を起こし、過栄養化による水質汚濁の軽減、藻場や漁場の回復を図るためのコンサルタントを行っている。

密度流拡散装置 (マリノフォーラム21パンフレットから引用)
三重県五ヶ所湾で稼働中の密度流拡散装置

省エネ技術の開発

実船に装着された船首ウィンドシールド

大型コンテナ船の船首風防(ウインドシールド)の開発

水上の風圧面積の大きい自動車専用船、満載状態の大型コンテナ船等においては風による抵抗増加の割合が大きく、強風時には最も抵抗の大きい斜め向い風の場合で風圧抵抗が無風時平水中全抵抗の20%以上にも達する。
航海速力17ktの大型コンテナ船の前部に風防を設け整流することにより、北太平洋航路にて年間約2%程度、船尾翼型積み付けと両舷上部コンテナの隅切りを合わせて実施することにより年間約3%の燃費削減が期待される。更にコンテナ前後間の隙間を塞ぐ適切な船側風防を開発すれば、年間5%以上燃費削減が期待できる。2015年より商船三井の運航する6,700TEU積コンテナ船に実装。実船運航を開始し、予想通りの省エネ効果をあげている。

Various ways for drag reduction(A,B,C,D,E)

S:標準配置
A:船首風防
C: 船尾翼型積み付け(積個数168TEU減)
D:隅切1段(積個数56TEU減)
E:船側風防